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ブレーカーが落ちた!原因と自分でできる簡単復旧方法

私たちの日常生活に欠かせない電気。その電気の安全を陰で支えているのが「ブレーカー」です。しかし、ブレーカーがどのような役割を果たし、なぜ必要なのかを詳しく知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。この記事では、家庭の電気を守る上で非常に重要な役割を担うブレーカーの基本的な仕組みから、各ブレーカーの種類と役割、そして万が一ブレーカーが落ちてしまった際の適切な対処法までを分かりやすく解説します。ブレーカーの理解を深めることで、より安全で快適な電気のある生活を送るための一助となれば幸いです。

1.ブレーカーとは?電気の安全を守る重要な役割

1-1 電気の交通整理と安全管理を行う司令塔

私たちの家庭に届けられる電気は、分電盤という箱の中にあるブレーカーを通じて、各部屋や家電製品へと分配されます。ブレーカーは、まるで道路の交通整理を行う警察官のように、電気の流れを適切にコントロールする役割を担っています。各部屋への配線は、それぞれが独立した電気の通り道であり、ブレーカーはその入り口に設置され、電気の使いすぎや異常がないかを常に監視しています。安全かつ安定的に電気を使用するために、ブレーカーは家庭の電気システムにおいて不可欠な司令塔なのです。

1-2 なぜブレーカーが必要?事故を防ぐ2つの保護機能

ブレーカーの最も重要な役割は、電気事故を未然に防ぐことです。具体的には「過電流保護」と「漏電保護」という2つの主要な機能によって、私たちの安全を守っています。過電流保護は、許容以上の電流が流れた場合に自動的に電気を遮断し、配線の発熱や火災を防ぎます。一方、漏電保護は、電気回路から意図しない場所に電流が漏れ出す漏電を検知すると、瞬時に電気の流れを止め、感電事故を防止します。これらの保護機能があるからこそ、私たちは安心して電気を使用できるのです。

2.分電盤の中身を解説!4種類のブレーカーの役割

2-1 家全体の電気を管理する「主幹ブレーカー」

分電盤の最も上部に設置されていることが多いのが「主幹ブレーカー」です。これは、家庭内で使用される電気容量に応じて、ブレーカの定格電流が決まり、複数の家電製品を同時に使用するなどして、家庭全体の電気使用量が契約アンペア数を超えると、主幹ブレーカーが作動して電気を遮断します。これは、引込口装置を兼ねて、幹線を保護するのが目的です。

2-2 回路ごとの電気を守る「分岐ブレーカー」

主幹ブレーカーの横に複数並んでいる小さなブレーカーが「分岐ブレーカー」です。これらは、家の中の各部屋や特定の電気製品(エアコン、電子レンジなど)の回路ごとに設置されており、それぞれの回路における電気の使いすぎやショート(短絡)を監視しています。特定の回路で許容電流を超える電流が流れた場合や、ショートが発生した場合に、その回路の安全ブレーカーのみが作動し、他の回路への影響を最小限に抑えます。これにより、部分的な電気トラブルに対処しやすくなります。

2-3 漏電の危険から身を守る「漏電ブレーカー」

主幹ブレーカーに組み込まれていることが多いのが「漏電ブレーカー」です。これは、電気回路から地面や人体に電流が漏れ出す「漏電」を検知する非常に重要な役割を持っています。漏電は感電事故や火災の原因となる可能性があり、漏電ブレーカーは、わずかな漏れ電流を感知すると瞬時に電気を遮断し、これらの危険から私たちを守ります。定期的な動作確認が推奨されています。

2-4 電力会社と契約上の「アンペアブレーカー」

電力会社との契約電流以上の電流が流れると、自動的に電気を止める装置です。電力会社によっては設置が不要です。

3.ブレーカーが落ちる原因を徹底解剖!

3-1 電気の使いすぎ(過電流)が原因の場合

ブレーカーが落ちる最も一般的な原因の一つが、電気の使いすぎ、つまり「過電流」です。一つの回路に接続された家電製品の消費電力の合計が、その回路の分岐ブレーカーの許容電流を超えると、ブレーカーは自動的に電気を遮断します。例えば、ドライヤーやアイロン、電気ケトルなど、消費電力の大きい家電製品を同時に同じ回路で使用すると、過電流が発生しやすくなります。

3-2 特定の家電製品が原因の場合

特定の家電製品を使用した直後にブレーカーが落ちる場合、その家電製品自体に原因がある可能性があります。例えば、家電製品内部の故障によって異常な電流が流れたり、起動時に瞬間的に大きな電流を必要とするタイプの家電製品(一部のエアコンや電子レンジなど)が、回路の許容電流を超過させたりすることがあります。このような場合は、問題の家電製品の使用を一旦中止し、他の回路で試してみるなどの切り分けが必要です。

3-3 漏電が原因の場合

漏電ブレーカーが作動してブレーカーが落ちた場合は、家の中のどこかで漏電が発生している可能性が高いです。漏電は、電気配線や家電製品の絶縁不良などが原因で起こり、微量の電流が意図しない場所に流れ出てしまう現象です。漏電は感電や火災の危険を伴うため、非常に危険です。漏電が原因でブレーカーが落ちた場合は、安易に復旧を試みず、専門業者に点検を依頼することが重要です。

4.ブレーカーが落ちた時の正しい対処法と注意点

4-1 慌てず原因を探る!落ちたブレーカーの種類を確認

ブレーカーが落ちた際は、まず慌てずに分電盤を確認し、どの種類のブレーカーが落ちているかを確認しましょう。主幹ブレーカーが落ちているのか、特定の分岐ブレーカーが落ちているのか、それとも漏電ブレーカーが落ちているのかによって、対処法が異なります。落ちたブレーカーの種類を確認することで、原因の特定と適切な復旧作業につながります。

漏電ブレーカーは主幹ブレーカーに組み込まれている場合が多いので分かりにくいですが、主幹ブレーカーの横の黄色いポッチが飛び出します。

4-2 ブレーカーの種類別の復旧手順と安全確認のポイント

主幹ブレーカーが落ちた場合は、使用していた家電製品の電源を切ってからブレーカーを戻します。安全ブレーカーが落ちた場合は、その回路で使用していた家電製品のプラグを抜き、ブレーカーを一旦切ってから入れ直します。漏電ブレーカーが落ちた場合は、すべての安全ブレーカーを切ってから漏電ブレーカーを入れ、一つずつ安全ブレーカーを上げていくことで、漏電している回路を特定できます。いずれの場合も、ブレーカーを戻す際は安全に注意し、濡れた手で触らないようにしましょう。また、何度もブレーカーが落ちる場合は、無理に復旧を試みず、専門業者に相談してください。

5.ブレーカーを安全に使うために!日頃からできること

5-1 電気の使い方の見直しと節電の意識

ブレーカーを安全に使うためには、日頃から電気の使い方を見直すことが大切です。消費電力の大きい家電製品を同時に使用するのを避けたり、使用しない家電製品の電源はこまめに切るなど、節電を意識することで、過電流によるブレーカー落ちを防ぐことができます。また、契約アンペア数に見合った電気の使い方を心がけることも重要です。

5-2 古い家電製品や配線の点検の重要性

長年使用している家電製品や、経年劣化した電気配線は、漏電やショートの原因となる可能性があります。定期的に家電製品の状態をチェックし、異音や焦げ付きなどの異常が見られた場合は使用を中止しましょう。また、配線についても、目に見える損傷がないかなどを確認し、不安な場合は電気工事の専門業者に点検を依頼することをおすすめします。

5-3 専門業者への相談も検討しよう

ブレーカーが頻繁に落ちる場合や、原因が特定できない場合、漏電の疑いがある場合など、自分での対処が難しいと感じたら、迷わず電気工事の専門業者に相談しましょう。専門家による適切な点検や修理を行うことで、電気の安全性を確保し、安心して生活を送ることができます。

まとめ

この記事では、家庭の電気を守る要であるブレーカーの役割と仕組み、ブレーカーが落ちる原因と対処法、そして安全に使うためのポイントについて解説しました。ブレーカーは、私たちの生活に不可欠な電気を安全に供給するための重要な設備です。その役割を正しく理解し、適切な使い方を心がけることで、電気トラブルを未然に防ぎ、より快適な暮らしを送ることができます。もし、ご家庭の電気設備に関して不安なことや疑問点があれば、自己判断せずに、住まい工房までお気軽にご相談ください。お客様の安全で安心な電気のある生活をサポートさせていただきます。